こんにちは。森山です。
前回の記事から、
仕事・働くこと
について、合計3本の記事で一緒に向き合いたいと考えています。
- ソーシャルワーカーとして仕事の意味を考える|暮らしに触れ意味を見出す
- 人の力と可能性を信じ解き放つ仕事|ソーシャルワーカーとコーチの姿勢 👉今回の記事
- 【仕事】ソーシャルワーカー・コーチ|想い→言葉・姿勢→行動→形
以上のような内容について、ソーシャルワーカー・コーチとしての学びや、まちづくりや場づくり、オンラインでの事業展開や個人起業の伴走支援の中からの気づきをシェアします。
前回の記事では、仕事とは誰かの暮らしに触れることなのではないか、という話を書きました。
仕事は、ただ作業をこなすことではなく、誰かの困りごとに時間と労力を使うこと。
誰かの痛みをやわらげ、その人が少し息をしやすくなるように関わること。
続いて今回の記事は、そこからもう少し進んで「人の力を信じる仕事」について考えてみたいと思います。
ソーシャルワーカーの仕事とエンパワメント

私たち「ソーシャルワーカーの仕事」について考えた時に、
エンパワメント
はキーワードとなります。
エンパワメントとは、ものすごく噛み砕いて説明すると、その人の中にある力が取り戻されていくことです。
人はときに、自分には力がないと思い込んでしまうことがあります。
- 自分には無理だ。
- どうせ変わらない。
- 助けてほしいと言ってはいけない。
- 迷惑をかけてはいけない。
- 挑戦しても失敗するだけだ。
そんなふうに、自分の可能性を小さく見積もってしまうことがあります。(このような状態をパワレスな状態と言います。)
けれど、その背景には、過去の経験や、他者からの言葉や、社会の価値観があることも少なくありません。
本当は力があるのに、その力が見えなくなっている。本当は選べるはずなのに、選択肢がないように感じている。本当は未来があるのに、目の前の苦しさでいっぱいになっている。
そこに、もう一度光を当てること。
あなたの中には、まだ力がある。あなたには、考える力も、選ぶ力も、人とつながる力も、何かを始める力もある。そのことを、本人が少しずつ感じられるように関わっていくこと。
それが、エンパワメントなのだと思います。
解放の第1歩は自分を縛ってきたものに気づくこと

ソーシャルワーク専門職のグローバル定義に、「エンパワメントと解放」という言葉があります。
解放という言葉を聞くと、もしかしたら大げさに聞こえるかもしれませんね。
けれど私は、解放とは、何か特別な革命のようなものだけではなく、自分たちの生活の中から「自由や可能性を縛るもの」に気づき、解き放つ作業だと思っているんですね。
自分を縛っているものに気づく
解放の1歩目は、自分を縛ってきたものに気づくことです。
それは、
- 身近な人過去に言われた一言かもしれません。(お前には無理だよ!)
- 親や先生や上司から受け取った評価かもしれません。(ほら、やっぱり失敗しただろ!)
- 周囲の期待に応え続ける中で身につけてきた生き方かもしれません。(頑張らないと、評価されないと、自分の居場所がなくなる)
- 社会の中で正しいとされている働き方や、年齢相応とされる人生の形かもしれません。(本当はやりたくないけど、やらないと社会的に不適合だと思われる。)
このような、ある種脅迫のような縛りで、がんじがらめになってしまっていた経験が、私にもあります。
「正しさ」ではなく「固定的な枠組みに縛られないこと」が大事
誰かの発言や一つの考え方が「間違っている」か「正しい」かどうかはわかりません。
ただ、私たちは、他者との関係の中で育ち、社会の中で生きていて、誰かの言葉に支えられたり、傷つけられたりしながら生きています。
そうした人との触れ合いや交わし合う言葉が、いつの間にか、自分の未来を狭める枠になっていることがある…。
- 私はこういう人間だから
- 今さら変われないから
- 自分には向いていないから
- どうせ誰にも求められないから
そうやって、自分の可能性を閉じてしまっているとしたら、その枠に気づき、少しずつ自由になっていくことが必要です。
自由に生きることは無責任で自分勝手なことではない
そんな状態から自分を解放するということを考えると、「社会不適合になること」「自分勝手になること」しかないのでしょうか?
そうではありません。
むしろ、自分の本当の願いや力に気づき、それを誰かのために、社会のために、自分の経験値を生かして、多くの人を解き放つこともできるのではないでしょうか?
コーチングは未来の可能性に関わる

私は、ソーシャルワーカーであり、コーチとしても人に関わる仕事をしています。
コーチングで大切にしているのは、過去の蓄積や他者からの評価だけで、自分の未来や可能性を決めないということです。
知らないうちに影響を受け、影響を与えている
私たちは、知らないうちに多くの影響を受けています。
先ほど見てきたように、親から言われたこと、先生から評価されたこと、職場で求められてきた役割、社会の中で正しいとされる生き方、年齢や肩書きや収入によって測られる価値。そうしたものは、良くも悪くも、私たちの考え方に影響を与え無意識レベルで意思決定を縛っています。
もちろん、過去の経験は大切です。
他者の言葉に支えられてきたこともあります。失敗や挫折から学んだこともあるでしょう。
けれど、それだけで人生を決めてしまうと、本当はあり得たかもしれない可能性が、見えなくなってしまうことがあります。
このことに自覚的に生きることは、ものすごく大事なことだと私は考えています。
周りの目ばかり気にしていては自分を見失う
私は、幼い頃から周りの評価を気にしていました。
特に、子どもにとって権威ある大人(親や学校の先生など)から、怒られないか、どう思われているかなどは常に気を配っていたように思います。
それが染み付いて大人になってからも、
- 今の自分にできるかどうか
- 周りからどう見られるか
- 失敗しないかどうか
- 迷惑をかけないかどうか
これらを基準にしていました。
すると、未来はだんだん小さくまとまっていきます。
コーチングは、
本当はもっと違う生き方があるかもしれない。本当はもっと違う仕事の形があるかもしれない。本当は、自分の経験や関心や違和感を、誰かの役に立つ形にできるかもしれない。
その可能性に目を向けるためにあるのです。
抽象度を上げて自分と世界を見つめ直す

コーチングでは、抽象度を上げることを大切にします。
抽象度を上げるというのは、目の前の問題に飲み込まれすぎず、少し高い視点から、自分と世界を見つめ直すことです。時間的な幅と空間的な幅を広げると、目の前の問題を別次元で捉えることができます。
抽象度を上げることは、物事を曖昧にさせて、目の前の細かな問題から逃げることではありません。
物事の本質を見極めて、本当に大事なものを守り続けるために必要な視点は、思考の抽象度を上げることで身につきます。
過去の延長線上に生きる今の自分のみを見ないこと
たとえば、過去のことばかり気にして、未来の可能性に目を向けられない状態だと、どんな判断・意思決定をするでしょうか?
そして、「これまではできたから、これからもできるだろう」「これまでできなかったから、これからもできないだろう」という過去ベースの思考を続けていると、どうなるでしょうか?
大事なことは、
今の自分にできるかどうかだけで考えるのではなく、本当はどんな世界を生きたいのかを考えてみる。周りからどう見られるかだけで判断するのではなく、どんな価値を社会に届けたいのかを問い直してみる。失敗しない方法だけを探すのではなく、どんな未来なら、自分の命がよろこぶのかに耳を澄ませてみる。
このようなことだと思うんです。
すぐに答えが出たかどうかや、成長できて成果を出せたかどうかも大事ですが、そこばかりにとらわれなくてもいい。
大切なのは、過去の延長線上だけで自分を決めつけて、目先の結果に一喜一憂するのではなく、本当に大事なことを選択する「今」を大切に生きることです。
広い可能性の中から生き方や働き方を選び直すこと
そして、「今のこと」「自分のこと」という狭い時間・空間的視野ではなく、「中長期先の未来」「より多くの人の幸せ」を考えられる自分でいること。
私たちは、もっと広い可能世界の中から、自分の生き方や働き方を選び直すことができます。もちろん、現実には制約があります。お金のこと、家族のこと、健康のこと、責任のこと。簡単に変えられないものもあります。
それでも、どんな視点で現実を見るのか。どんな未来を望むのか。何を大切にして選ぶのか。
もっと具体的にいうと、
- お金をどう稼ぎ、何のために使うのか?
- どんな仕事を選び、誰に対してどう接するのか?
これらを、自由に選択していくことこそ、大事なんです。
コーチの役割は、その自由と可能性を一緒に見つめ、その人が自分の未来を選び取っていく力を支えることなのだと思います。
まとめ|私たちの仕事は人や社会の可能性をひらく営みになる

人の力を信じること。自分を縛ってきたものに気づくこと。今の延長だけではない未来を思い描くこと。
これらは、仕事をつくるうえでも、とても大切です。
自分には何もできないと思っていた人が、自分の経験を誰かのために使えるかもしれないと思えるようになる。自分の悩みや痛みを、誰かの支えに変えられるかもしれないと感じられるようになる。
そこに、ソーシャルワーカー・コーチとしての仕事の種があります。
では、次回は、その仕事の種をどう育てていくのか。あなたの経験を、誰かの力に変えていくために大切なことについて書いてみたいと思います。
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