地域貢献をしたい対人援助職が想いを持続可能にする思考整理術

今回は「地域貢献したい」という思いを形にするためのヒント・気づきを共有していきたいと思います。

私がこれまで試行錯誤してきた内容や、ご相談をお受けする中での気づきをシェアしますね。

あなたが愛する地域をより豊かなものにするとともに、人の笑顔に溢れるまちを作る。

その一役をあなたがしっかり担うために、今回の情報を役立てていただければ嬉しいです。

対人援助職の「地域貢献」への想いを聞いて

対人援助職の方と話していると、

地域に貢献したい

という言葉を耳にすることがあります。

その思い自体は、とても大切なものだと思います。

自分の専門性や経験を、目の前の利用者支援だけでなく、地域全体の豊かさや安心につなげていきたい。

そう願うことは、対人援助職として自然なことでもあると思うんですね。

地域貢献という抽象的な言葉

けれど私は、そこで少し引っかかることがあります。

それは、

地域貢献という言葉が、あまりにも抽象的に使われていることが多い

ということです。
しかも時には、今の仕事への葛藤やしんどさから目をそらすための、都合のいい言葉として使われているように見えることもあります。

不満の裏にある「理想」に向き合い地域貢献する

また、既存の地域活動に対して不満があり「自分ならもっといい実践ができる」というニュアンスを含んでいることも、過去の相談の中でありました。

  • 組織との折り合いが悪い。
  • 現場に疲れている。
  • やらされている感覚が強い。
  • 自分の専門性が十分に発揮できていない気がする。

その苦しさはよくわかります。

ただ、「不満」に目を向けるより「理想」に目を向けた上で、現状を捉えること。

そして、今の自分にできる一歩を踏み出すことが大事だと思うです。

医療・福祉・介護・教育の現場で働く人へ

実際、医療、福祉、介護、教育の現場には、理不尽さも多いかと思います。

志だけで乗り切れない現実もあるかもしれません。

そこで「起業したい」「地域貢献したい」「地域の役に立ってお金を稼ぎたい」という方がおられます。

自分の専門性や強み、特技などを活かして働きたい。

例えば「ライター」「デザイナー」として、地域で活躍されている方を私はたくさん知っています。

ただ、その一方で、今の仕事にどこか中途半端な姿勢のまま、地域貢献をしたい、地域で何かやりたい、さらには地域貢献を仕事にできないかと語られると、私は少しもやもやする部分もあります。

そもそも職業とは何か?

ではそもそも、仕事や職業とは一体なんでしょうか?

社会に対して継続的に役割を果たすことを職業という

私の捉え方としては、継続的に誰かの役に立つ営み、社会に対して果たす機能を「職業」という。

ただ日本では「お金を稼ぐこと」というように捉える人もいますし、「会社に行くこと」と考える人もいます。

いや、「誰かの役に立つ」「社会に対して機能を果たす」ことを継続するから職業。

単発での貢献は「活動」と捉える

一方で、一回きりの参加や、単発の実践は「地域貢献」「社会貢献」としてする。

寄付もいいし、ボランティア活動の参加もいい。

ただそれが、「自己満足」で「気持ちのいい活動」であれば、それは自分の中の本当の心と向き合うことが大事だと思います。

自分のことを大事にするのは、本当に大事なことだからです。

本当に地域に貢献する活動を職業にしたいのか?

地域に貢献する活動をすることは、尊いことです。
でも、それは必ずしも職業ではありません。
職業にするということは、継続性を考える必要があるということです。

誰かの役に立ち、求められ、持続可能なものにする

誰かに役立ち続けること。

求められ続けること。

そして、その営みを自分でも持続できる形に整えていくことです。

健康のゴールやファイナンスのゴール

このことを考えた時に、「健康のゴール」や「ファイナンスのゴール」も設定することが必要となります。

ここを曖昧にしたまま、地域に関わることを仕事にしたいと考えると、継続ができません。

コーチングでいうバランスホイールのように考えることが必要なんです。(コーチングのバランスホイールについては、会員サイト内でのコーチングについて解説する講義で公開しています)

地域貢献と収入を得ることは、どちらも大切ですが別々に考えて整理すべきテーマです。

地域に貢献する活動を継続することで収益化もしたいなら

地域に貢献したいという願いは、一つの大事な志です。
しかし、お金になるかどうかは、また別の論点です。
思いがあることと、経済的に成り立つことは同義ではありません。

地域貢献やまちづくりはお金になりにくい?

むしろ、地域貢献やまちづくりの領域は、経済合理性だけで見れば、お金になりにくい市場だと言えます。
困りごとは多くても、それに十分な対価が支払われるとは限らない。
必要性が高いことと、市場として成立しやすいことは一致しない。
この現実は、きちんと理解しておく必要があります。

対人援助職の方は営業やセールス、お金のことが苦手な人も多い

とくに対人援助職の方は、もともと商売人として育ってきたわけではありません。
医療、福祉、介護、教育といった領域は、営利セクターよりもソーシャルに近い世界です。
そのため、集客に本気で向き合うことや、自分の価値を言語化して届けること、お客さんから直接お金をいただくことに苦手意識を持つ方は少なくありません。

地域貢献やまちづくり活動を職業にするなら

けれど、本当に地域活動やまちづくりを職業として成り立たせたいなら、そこから逃げてはいけないと思うのです。

  • 学ぶこと
  • 実践を重ねること
  • 価値提供とは何かを考えること
  • 誰に、どんな変化を届けるのかを明確にすること

これらを考えた上で、継続可能な仕組みとしてどう成り立たせるのかを真剣に考えなければなりません。

地域に貢献したいという優しい気持ちだけでは、職業にはなりません。
そこに必要なのは、想いを形にしたいという情熱と、覚悟。

そして、コツコツとした活動です。

私がオススメする地域貢献の2つの形

だから私は、地域貢献には少なくとも二つの姿があると思っています。

市民として地域貢献活動に取り組む

一つは、市民としての地域貢献です。
自治会活動、PTA活動、地域の見守り、居場所づくりの手伝い、イベントの運営、ボランティア参加。こうした営みは、どんどんやったらいいと思います。
そこでは、見返りを求めすぎないことも大切です。
自分が暮らす地域に、自分なりに関わり、できることで貢献する。これはとても健全で、美しいことです。

職業として地域貢献活動に取り組む

もう一つは、職業としての地域貢献です。
こちらは話が別です。
継続性、専門性、価値提供、収益構造、信頼形成、関係づくり、営業や発信も含めて、営みとして育てていく必要があります。
善意ではなく、持続可能性が問われます。
憧れや雰囲気だけで入っていくと、本人も苦しくなりますし、地域にとっても中途半端な関わりになりかねません。

今の仕事・職業を振り返る

そして、ここでもう一度立ち返りたいのは、今の仕事です。

今の仕事に本気で向き合えていない人が、地域でだけ本気になれるとは、私はあまり思いません。
もちろん、職場を変えた方がいいこともあります。組織から離れた方が力を発揮できる人もいます。
でもそれは、逃げることとは違います。

  • 今の現場で何に違和感を抱いているのか。
  • 自分は何を大事にしたいのか。
  • 何が苦手で、何を学び直す必要があるのか。
  • 自分は継続的に誰の役に立ちたいのか。

そこを見つめずに、地域貢献という言葉だけを先に掲げても、足元は定まりませんからね。

地域貢献で理想や希望に逃げないのが大事

地域貢献は、きれいな言葉です。
だからこそ、その言葉に逃げ込まないことが大事なのだと思います。

地域に関わりたいなら、まずは市民として、できる範囲で関わればいい。
それを仕事にしたいなら、甘く見ないこと。
本気で学び、本気で実践し、継続的な価値提供として形にしていくこと。

そのうえでなお、自分はこの営みを続けたいと思えるか。
そこまで問うことができて、はじめて地域貢献を仕事にする入口に立てるのではないでしょうか。

私は、地域に貢献したいという思いそのものを否定したいのではありません。
むしろ、その思いを大切にしたいからこそ、曖昧なまま語らない方がいいと思っています。

優しさだけでは続かない。
善意だけでは支えきれない。
でも、思いに学びと実践が伴ったとき、その仕事は本当に地域を支える力になる。

地域貢献を語る前に、まず自分の仕事をどう生きるのか。
その問いに向き合うことから、すべては始まるのだと思います。

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